Summer Pockets 感想(個別はネタバレ避け)
どもです。
先日Keyの最新作「Summer Pockets Reflection Blue」が発表されました。
ぼくの大大大好きなキャラクターであるのみきこと野村美希がヒロイン昇格ということで今からめちゃめちゃそわそわしています。
というわけで今さらですが無印サマポケの感想を書きます。
何気にまだ書いてなかったんですよね。
公式+ちょい程度のネタバレで書きます。
といっても今やもう公式もドバドバネタバレしてるので、グランドルートについてはそんなに気は遣ってません。
Summer Pockets、通称サマポケの一番の特徴は、なんと言ってもこの作品全体からにじみ出る『夏休み感』!
初めて訪れる島が舞台でほとんどの登場人物が主人公と初対面という寄り添いやすい設定、極端に突飛なネタは入れることなく短文で緩やかに流れるストーリー、モデルの直島をそのまま描いた鮮明な背景、珠玉のサウンドスタッフによる作品の空気づくりに特化したBGMの数々、より近くに鳥白島を感じさせるための、蝉の声、波の音など790種類以上の細かいサウンドエフェクト、etc.……
それらすべての相互作用によって読み手側を引き込むように紡がれる物語は、たちまちに我々を鳥白島で過ごす夏休みへといざなってくれます。
主人公羽依里と一緒に島を歩き、日々を過ごし、出会い、別れる。
そこで得たひと夏の思い出は、きっといつまでもポケットにしまっておきたくなるような大切な宝物になります。
是非とも、夏に蝉の声を聞きながらプレイしたい作品。
またあんな夏休みを過ごしたい。
感想書きます。
(『』内はシナリオからの引用です)
プレイ順:紬→蒼→鴎→しろは→ALKA→Pocket
・紬ルート
『大事にしたい人たちと。大切な人と。全力で、毎日を過ごす 』
いや、泣いた。無理よ。これは無理。
人って泣きすぎて死ぬことあるんやなって実感するくらい泣いた。
手が痺れて足も痺れて全身が痺れてそのうち手が痙攣し始めるんですよ。泣きすぎると。
完膚なきまでにボコボコに打ちのめされて命があっただけまだラッキー。
ゴールデンアワーのような限られた時間の中、別れに向かう慌ただしくも楽しい日常。
文体もほわほわしてて泣きの土台を作ります。
完全に泣かせに特化した、もはや暴力的なシナリオ。
あと告白シーンがかなり好き。
お互いが想いを吐き出し合い、ヒロイン→主人公の好きが沢山伝わる良い告白シーン。
羽依里もかっこいいし。完璧だよ。
告白シーンだけで言ったら今でも5本の指には入ります。
結ではなく承にくるパターンでは一番好きかも。
キスを入れずにこれはほんと凄い。
あととにかく紬がめっっっっっっっっっっっっっっちゃ可愛い。
めちゃめちゃ可愛い。無敵。
可愛い。本当に可愛い。天才。
マジで可愛い。たまらん。可愛い。
そもそもサマポケは紬のキャラデザが好きすぎたから購入に踏み切ったんですよ。
ノベルゲームもサマポケもまだ知らないとき、Twitterでたまたま見かけた紬のあの絵が無ければきっと未だにサマポケやってません。
たぶんノベルゲームすらまだやったことなかったと思います。
紬に人生変えられちゃったな。
購入前からそれくらい見た目が好きだったキャラクター、個別ルートプレイして、ますます好きにならないわけないじゃないですか!
可愛いほんと。ほんと可愛い。
むぎゅ~~~~~
・蒼ルート
『羽依里とずっと、一緒に居たい……』
大好きなシナリオ。
本当に大好きすぎて大好きしか書くことがない。
まあ実際は書き出すと次から次へと感情があふれてまとまりなく1億字を超えそうなので書けないというだけですが……
物語が心に溶け込んでくる感覚。
ぎゅっと心を掴まれ揺さぶられ、それでいて優しく包み込まれるような感覚。
近々シナリオライター魁さんの魅力をまとめた記事等も作成しようと考えていますが、こちらもその彼のもつ数々のワザによって紡ぎ出される麗しき逸品。対比とド直球の組み合わせ。
持ち球は直球しかないのに最高球速と緩急とコースの構成が化け物。こんな投げ分けされたら見逃し三振笑顔で踊りながらバッターボックス降りますよ。
一生忘れたくない、宝物のような夏。
シンプル・イズ・ザ・ベスト。
・鴎ルート
『私ね、きっと、あなたのこと 』
ひとりの不思議な少女と島を冒険をした、ある夏の思い出。
2人で鴎の夢を叶えていく、切なくも明るいお話。
サマポケの中で一番ネタバレ厳禁なシナリオ。
ということでこれ以上何も書けません……
これだけでも書きすぎたかなと思ってしまうくらい。
やったことない人には是非やってもらいたいです。
・しろはルート
『いつでも帰ることができる。あの場所に。あの夏に。』
はい夏休み、それ夏休み、ひと夏の恋、しろは~~~~~!
いやもう可愛いほんと可愛いさすがメインヒロイン。
このちっちゃい水鉄砲売ってくれんかな。ほしい。これ持って直島行きたい。
初めて来た田舎の島でそこでできた友達と過ごす、穏やかで新鮮な夏休み。
みんなで遊んで楽しく夏を過ごしていく中で、互いにどこか似たものを感じる羽依里としろはは少しずつ惹かれあっていき
初プレイ時は、正直そんなでもないなっていう印象でした。
それが周回したり間を開けたりしているうちにどんどん好きになっていく。
かけがえのないものになっていく。
これって、まさに夏休みそのものみたいですよね。
当時は当たり前のようにただ楽しんでいた毎日も、大人になって忘れかけていた頃に振り返ってみると、涙が出そうなくらい大切な思い出としてそこに跡を残している。
これぞノスタルジー。
いつでも帰ることができる。
あの場所に。
あの夏に。
以下グランドルート。
・ALKA TALE
『このなつやすみ、すごくたのしかった……』
おかーさんを想い焦がれ、夏を繰り返す少女のお話。
最後の夏休みに、最後の勇気を振り絞って、やっとたどり着いた場所。
ずっと憧れていた母の温もり。ずっと探し続けていた、家族仲良く過ごす時間。
全部全部もらって、全部全部叶えて。
夏休みには、終わりがくる。
これは泣く。
家族愛の暴力。
初めは「家族ごっこ」から始まったこの夏休み。
その夏の中で羽依里が少しずつおとーさんになっていき、しろはが少しずつおかーさんになっていくその過程は、何度見ても心を打たれます。
特にしろはがあそこまで母の自覚をもつようになるのは、これぞKeyの親子愛の描き方というような感じがします。
本シナリオの結末はかなり悲しいものとなっていますが、ラストにはそこに希望を見いだそうとする、少女の最後の覚悟が描かれています。
ALKA TALEを終えてPocketルートへと向かうときのあの祈るような、それでいてワクワクするような気持ちをもう一度味わいたい……
子どもの頃の、ありふれた夏休み。
一番たのしかった夏休み。
・Summer Pockets(Pocketルート)
『過去のまぶしさよりも、未来のまぶしさを探せるように』
ALKA TALEの続きです。
夏の籠を破り、未来を紡ぐお話。
永い旅をしてきた少女の、本当に最後の、大切な人を救うための、新しい始まりのための夏。
ALKA TALEは親から子への親子愛を強く描いたものでしたが、こちらは子から親への親子愛に振り切って描いたもの。
もう……泣きますよ……無理ですよ……
うみちゃん……うぅ……
しろは……ううぅ……
・エピローグ
『眩しさだけは、忘れなかった。』
あの夏を、すべて忘れてしまっても。
誰よりも大切なあなたのことを、思い出せなくなってしまっても。
それでもポケットは、まだふくらんだままで。
あの日、まぶたに感じたまぶしさだけは、忘れなかった。
Pocketルートのあとのエピローグ。
爽やかで晴れやかで、それでいて切なくて涙が滲むような、このエピローグのラストシーンまでの流れがほんとに大好き。
全てを失う出来事と、その失ったはずの過去(もしくは未来)から微かに零れた想いの欠片、その二つの組み合わせでその先の明るい未来を示唆して終わる。
これやられたときのあの切なくて温かい読後感がめっちゃめちゃ好きなんです。
一生あの感情の中で生きてたい。
エンディングでは思わず泣きながら拍手してしまいます。とにかくラストシーンが秀逸。
大好き。
最高の夏。
以上です。
本当はのみきかわいいよシーン集もいっしょに書きたかったのですが年明けに間に合わないのでとりあえずここまでです。
今年の泣き納めはSummer Pockets。やっぱりサマポケ大好きですわ……
プレイしたことのない方にはぜひプレイしてもらいたい、自信をもってオススメできる泣きゲーです。
夏が大好きになる作品。
サマポケは炒飯。
来年の夏も楽しみです!