酒とクレカと借金と。

オタクのブログ

月の彼方で逢いましょう 感想(ネタバレ避け)

どもです。

tone work’s 4作目『月の彼方で逢いましょう』、全ルート終了しました。

 

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確かに、今作は違いました。

正直ここまで感動するとは思っていなかった。

『月の彼方で逢いましょう』という作品であることを考えれば、メインシナリオ×3(灯華、うぐいす、雨音)、サブシナリオ×4(聖衣良、栞菜、霧子、きらり)という構成です。

そのバランスがとても良い!

サブシナリオはtone work’sらしく(といっても星織ユメミライしかプレイしたことないですが)、リアリティのある世界の中の恋愛物語を綴るもので、頭空っぽで見れるやつ。かわいー、きゅんきゅん、って。

そしてメインシナリオのパワーがすごい。

月を絶対の中心において抜群のムードで物語が紡がれていきます。

ノベルゲームならではの心に染み入る演出・言葉の数々は必見です。

メインシナリオ→サブシナリオの順で、ネタバレは最小限で感想を書きます。

プレイ順:灯華→うぐいす→栞菜→きらり→霧子→聖衣良→雨音

 

 

 

 〇メインシナリオ

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メインシナリオは、どれも『月の彼方で逢いましょう』というタイトルと、『もしスマホで過去と未来を繋げたら、あなたはどんな後悔をやり直す?』というキャッチコピーを踏まえたシナリオとなっています。

それぞれ作中でどのようにタイトル回収をするかというのも大きな見所です。

 

・灯華ルート/丘野塔也

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うーーーん可愛い。

シナリオも面白かった。

テーマは「復讐」。

この前にやったはつゆきさくらを思い出しましたが、あれより全然しっかり復讐。

先が気になる展開で、ハラハラドキドキって感じでした。

そこに恋愛要素とかSF要素を入れ、感動モノにしていくやつ。

面白かったんですが、なんか全体的にごちゃっとした印象でした。

モヤモヤするツッコミどころも多いし。

めちゃアツなはずのラストシーンもイマイチで、惜しいと思わざるを得ないです。

期待し過ぎたってのもあるかもしれませんが、ちょっと肩透かしを食らった気分になったシナリオでした。

面白かったんですけどね。

そもそも軸が想い合いでないものはぼくの好きなタイプのシナリオではないので、それでも面白いんだからハマる人にはかなりハマるんじゃないでしょうか。

 

 

 

・うぐいすルート/魁

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語るのも憚られる名シナリオ。

語るけど。

テーマは「物語」。

大好きなシナリオライターが物語の話書くの反則でしょ。

「選んではいけなかった未来」の落とし所が流石です。

深夜に震えながら号泣してました。

つくづく魁さんの書くラストシーンにはオシャレという言葉以外浮かばないです。

ほんとに書いてほしい展開と文がクリックするたびに出てくるので、思わずこんなことあるんや……こんなことあるんや……夢じゃないよな……と独り呟いていました。

あと日常シーンが面白い。

死刑の件は笑わないはずがない。

今作ぶっちぎりで一番好きなルートです。知ってたけど。

ありがとうtone work’s

やっぱ魁さんはSF入ってなんぼですよ。

ましろサマー澪ルートに似てました。

心地良い切なさが残るもの。

さすがの読後感。

大好き。

 

 

 

・雨音ルート/白矢たつき

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本作の核シナリオ。

いやぁ……よかった。

びっくりしました。まさかこんな良シナリオとは。

プレイ前からキャラゲーの皮を被ったシナリオゲーだと思ってはいましたが、ここまでとは。

今作の物語の核「エンデュミオン」に関するお話。

テーマは「家族愛」。

や、時を超えた家族愛はずるいて。なあ。

心配だった中二病要素はうまくエモに昇華していてすご!となりました。

こんなことできるんや……

スクール編途中の無理矢理感に冷や冷やしましたが、最後までやってみたら、たしかにこうしたかったらあそこはああするしかなかったか……という感じだったので結果オーライでした。それを含めての伏線ということで。

ラストを前半に合わせるより前半をラストに合わせるべきですよねやっぱり。

あとこれはキャッチコピーにもある『スマホ』=エンデュミオンを制作した雨音の父親についての話なので当然といえば当然なのですが、『月の彼方で逢いましょう』の使い方に痺れました。

ラストシーンはあれは泣かないはずないです。

末永くお幸せに。

 

 

 

 

〇サブシナリオ

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こちらはどれも『月の彼方で逢いましょう』と直接は関係のないお話。

公式が明確にメインとサブに分けているわけではないですが、こちらの4シナリオには月の入った一枚絵がひとつもないことからも、差別化の意図はあると思います。

リアリティを求めた甘々の恋愛ADVです。

 

・聖衣良ルート/龍岳来

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聖衣良、可愛いよ、うん。それはそうだよ。

そしてどこまでも、可愛い止まり……

このシナリオの主人公は本当にクソヘタレ。

殺意すら湧きました。

あと告白シーンがひどすぎる。

あんなんにWith Tomorrow(挿入歌)使わないでくれ……

あとそう簡単に中出しすんな。従妹やぞ。血近いんやぞ。ちゃんと考えてんのか。おい。

普段実妹ルートでさえこんなこと感じないんですけどちょっとこれはね……

せめて義妹設定とかにしてほしかったです。

ひたすら聖衣良が可愛いだけのシナリオ。

 

 

 

・栞菜ルート/白矢たつき

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9分目までめちゃめちゃよかった。

甘くて切なくてもどかしくてきゅんきゅんするやつ。

栞菜もめちゃめちゃ可愛いし。

本当によかった、プレイ中めっちゃニコニコしてた、それ故にクライマックスの告白シーンとラストシーンが残念すぎる……

プレイしながら悪い意味で頭抱えてました。

告白シーン以降を除いた9割は本当にめちゃめちゃ好き。でも超重要な残り1割がとにかく残念。

もったいない……本当に……

いやでも白矢さんは雨音ルートも書いてたわけだし仕方ない。

きっと時間がなかったんだ……仕方ないんだ……

 

 

 

・きらりルート/和泉万夜

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きらりさん、可愛い!!!!!!!

可愛すぎる。ヤバい。

思考が論理的で性に奔放で、心は純粋で可愛らしい大人の女性。

素敵です……うん……

はぁ……可愛い。

サバサバした女性大好き。

シナリオはとにかく癖がなく、無難に小さく抑揚をつけてテンポよく進むもの。

みんないい人だし敵キャラみたいな常務も別にいい人だし。

ただ本作の中に入るとどうしても見劣りします。

他ルートがしっかりしすぎてるあまり、作品世界構築のための勉強不足が浮き彫りになってしまっている感じです。

お粗末に見えてしまいますがきらりさんが可愛いのでいいですよ。

 

 

 

・霧子ルート/和泉万夜

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霧子さん、可愛い!!!!!!!

可愛すぎる。ヤバい。

こんな人と出会って結婚出来たら幸せだよな……と思わず思ってしまう、本当に素敵な女性。

ノベルゲームやってて初めて主人公を羨ましいと感じてしまいました。

ほんと素敵。ほんと可愛い。

霧子さん……

シナリオはやはり無難。

ただきらりルートより雰囲気で書きやすい題材だったのであちらよりは粗は目立ちませんでした。

それでも変わらずお酒まわりの描写がアレなのは本当に残念だった。ムードもへったくりもない。

大人の女性のお家で2人きりのクリスマス、初夜、というシーンで『お酒の入ったコップ』って表現出てきて思わず吹き出しました。

コップて! お酒て! 誰視点?? 乳幼児視点???

でも霧子さんが可愛いので全部許しました。

 

 

 

以上です。

無事、面白いだけではなく、やってよかった、という作品でした。

BGMも雰囲気が出るいいやつ、そして主題歌とWith Tomorrowは名曲。

フォントもシステムも世界観にすごく合っていて良い。

エフェクト等演出も素晴らしい。

アイキャッチもスタイリッシュで好き。

最高。

心に残る名作です。

 

本作品を通して月が大好きになりました。

スーパームーンの日をまたいで聖地巡礼したい。

すっぞ。