ゆめいろアルエット! 感想(ネタバレ避け)
お久しぶりです。
ゆめいろアルエット!、プレイしました。
企画・シナリオ・作詞7曲を全て魁さんが手がけているということで、アキバで1,480円で購入。
正直そこまでは期待していませんでした。
ただ魁さんの書くシナリオいっぱい読みたいな~という軽い気持ちで、魁さんも参加していたサマポケのトークショーがあった日に衝動買いしたものです。
プレイ順は、雀→柚姫→旭→深羽→アルエット(グランドルート)。
や、想像の800倍おもしろかった。
泣いたとか感動したとか、そういうのよりまず最初に「おもしろかった」という言葉が出てきます。
これにて完全に魁信者になりました。
神を崇める、当たり前のことです。
ちなみに泣いた順に並べると、アルエット>雀>深羽>旭>柚姫。
今回はレビュー風に感想を書きたいと思います。
ネタバレをできるだけ避けて書きます。
ネタバレ入れて書き始めると論文が出来上がります。
・日常シーン(プロローグ) ★★★★☆
終始深夜テンションという感じでかなり面白かったです。
最初はちょっとぶっ飛びすぎやないか?と感じていた気もしますが、今ではそれがちょうどよくなりました。
ただギャグパートが要に対するいじめに見える人もいるようで、万人受けはしないようです。
信頼関係というか要のキャラ的にただのギャグパートなんですけどね。
あと、夕は本当に要のことが大好きなんだな……と所々で感じます。
なんで夕が負けヒロインなんだ……
てか当然のように未成年飲酒してたのはなんなんだ。
・深羽ルート ★★★☆☆
これは……ツンデレ?
キャラは可愛く、魅力的な部分も多いのですが、僕の得意なツンデレではなく戸惑う箇所が多かったです。
暴力的でツンは十分あると思うんですが、それに対して適切なデレが無く普通の好意になってしまっているというかなんというか……
付き合い始めてからはツンすら消滅するし。
また、こんなこと言っては身も蓋もないですが、Hシーンが鬱陶しかったです。
ただラストの展開は好き、というのととにかくキャラが可愛いというのでこの評価です。
散りばめられた単純な言葉を最後までとっておく対比ほんと好き。
〇深羽イメージソング:夢、駆ける翼 ★★★★★
オタクソング。
本能で聴き動く曲。
落ちサビのドラム大暴れ地帯が好きすぎる。
そしてなにより、歌詞が良い。
まあ素直じゃないキャラほどキャラソンの歌詞が良くなるのは当たり前なのですが。
深羽ほんと可愛い。
・旭ルート ★★★★★
橘旭というキャラ作りの深さが凄い。
同い年で幼馴染み、天真爛漫ヘッポ娘でありながら姉属性で確かなしたたかさを持ち、女性キャラとして非常に魅力的です。
また横正面63種すべての表情が大変可愛く、文脈と性格にとても合っててとにかく可愛い。
そしてなにより感銘を受けたのが、ストーリー展開の美しさ!
(以下一文は若干のネタバレなので一部白文字です。)
「胸にあるものが大きくなる」というところで本筋をまとめ上げ、クライマックスでもそれを意識させるような仕掛けを施し、読み手側の胸にあるものまで大きくして終わらせる、本当に美しいの一言です。
ギャグ(エロ)とシリアスを同じもので印象的に対比させるのは感動ノベルゲーの定石だと思いますが、本シナリオはさりげなくそれをしていてしみじみと心に入ってきます。
「また…エッチしよーね」で泣かせられたのにはたまげました。
ほんと魁さんのこういうとこ好き。
ただ個人的に本作品では旭の妹である夕が一番好きなキャラクターだったため、本ルートでは夕の負けヒロインっぷりがかなりキツかったです。
本当に、本当にしんどかった……
もう夕の顔を見ただけで泣きそうになります……
夕……
……
それを差し引いても星5。
〇旭イメージソング:ぐっど・もーにんぐ ★★★★★
歌詞はおとめちっくで可愛い。
影法師という言葉はこの歌詞を作るために生まれてきたんですよ。
最後を「朝日」で締めくくるのも好き。
・柚姫ルート ★☆☆☆☆
とにかく内容が薄く、恋愛感情の動機付けもかなり弱かったです。
どんな状況でもセックスをする、種の存続に真剣な二人。
いやいやお前らアホやろやめとけ!と何度ひとりごったものか。
個人的にキャラクターが好きで期待していただけに、残念です。
〇柚姫イメージソング:月歌 ★★★★★
オタクソング。
暴れたくなります。
暴れさせてほしい。
最後の「しーろーいーつーきーーー」の“きーーー”の部分無音にするのマジで天才。
手首飛ばしたろうか。
・雀ルート ★★★★☆
本作のメインヒロイン。
当然キャラが可愛いです。
ほんと可愛いです。
ラストの展開がアツくて好きです。
あんなん泣くに決まってるやん。
ただ内容自体はまんまお嬢様あるあるという感じで、すご!とはならなかったです。
「チュンチュン可愛いよチュンチュン!」から「雀が好き。」に変わるシナリオ。
〇雀イメージソング:あるがままの小鳥より ★★★★★
曲の抑揚とんでもない。
静→鳳凰院雀、動→ただの女の子雀、という構成でとにかくエモい。
要×雀は不可侵です。さすがメインヒロイン。
要が本当に好きなのは雀だけやからな。
"ありのままの私を知る それが君だから"
いいっすね~。
・グランドルート ★★★★★★★★★★
ヤバすぎる。
なんも勝てん。
完全にしてやられました。
伏線とミスリードと伏線回収の気持ちよさが半端ない。
人が人を想うこと、人が人に想われること、人が人を信頼すること、人が人に信頼されること、バカ正直で泥臭くも真っすぐで美しい人間関係と物語が、それだけを目指して描かれています。
グランドエンディングソングの歌詞にもすべてがこもっており、何重にでも泣けてきます。
運命に抗うことは、奇跡なんかじゃねぇぇぇええぇぇえぇ!!!!!という魁さんのメッセージで体中をボコボコに殴られるような衝撃を受け、死ぬほど泣きました。
ネタバレしたくないのであまり多くは書けません。
ただただ、奇跡を信じない全ての人にやってほしいです。
〇グランドルート挿入歌:Story Teller ★★★★★
ヤバいって。
まさに物語の真相が語られるシーンでこの盛り上げはヤバいって。
ヤバいって……
こればかしはネタバレになるのでヤバいしか言えない……
〇グランドエンディングソング:Save the Tale ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
人間の80%は水分で出来ているといいますよね。
エンディングを迎えこの曲を聴くことで、8割減のダイエットに成功します。
そしてタイトル画面で延々と流れている曲、open the talesは、この曲をもとにしたものです。
ゆえにプレイ後のタイトル画面放置放心タイムも延々と泣かされてしまいます。
結果残った20%も溶け出し、身体は消滅します。
しかしそれらはのちに蒸発し、自室に雲を作り、さらなる余韻を楽しむ涙が雨となります。
その雨が再び固まってできたのが今の僕です。
いや、マジでヤバい。アカン。
“この足跡は 奇跡と呼ばせない 僕達が確かに作る 世界を”
この歌詞だけで、あ、もうこれに出逢えたし人生ここで終わってもいいや……ってなります。
以上がざっとした感想です。
本作はさりげない伏線というか、行間が多いです。
こういう仕掛け(うまく説明できない)は初めて見たのですが、脱帽です。
ED後、一番最後の伏線回収は本当にヤバかった。
うわあれ回収するの……? するの……? ……したぁぁぁぁああぁぁぁああぁ!!!!!
唸りますよあんなん。
学園という名の物語。
本当にやってよかったです。
The true story is beyond a miracle.
ほんと、それな。